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STAR ORPHAN@少年ジャンプGIGA

 

グレちゃんとジョイ君の飼い主Kさんと電話で話していたら、息子さんの漫画が少年ジャンプGIGAに掲載されていると伺い、50数年ぶりに漫画本を手に入れてきました。「編集部期待の新人による読切9本」の内の1本のようで、タイトルは「STAR ORPHAN」、星の孤児といった感じでしょうか。

 

5年に及んだ星海戦争は「地球消滅」という形で幕を閉じた、という書き出しで始まるこの漫画の主人公は、地球人のたった一人の生き残り「怪盗スター・オーファン」。消滅した地球に存在した184個(P.684。P.693では183個と少々混乱している)の「ジ・アース」と呼ばれる宝物、例えば31番目は「トキワ荘14号室のドアノブ」は一度行った所ならどこにでも行けるというドラえもんの「どこでもドア」のようなシロモノで、これら全てを集めようと宇宙を旅しているのがスター・オーファン。本号では宇宙船に乗って惑星アトラスにやってきて、収集家ペペポ卿所有のジ・アースを奪って次なる地に去ってゆくというお話。ジ・アースが184個もあるということは、話のネタは簡単には尽きないという仕掛けで、続きを読みたくなりました。

 

さてさて、全830+頁に満載の漫画を見ているだけで疲れますが、集英社が発行するのは少年ジャンプだけでなく、このジャンプGIGA、ジャンプクロス、最強ジャンプ、ジャンプコミックスなどなど沢山あり、はっきり言って情報過多。頁数のもっと少なかった少年マガジンと少年ジャンプくらいしかなかった小生の少年時代を懐かしく思い出した次第です。そんな世の中の変化を受け入れ難い高齢者達は、だから誰もが言う訳です「昔はよかった」と。

 

少年ジャンプギガ


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| すうさん | 08:15 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
A Book About Woodturning

 

YKW(Yasushi Kawaguchi Woodturning)の川口さんによる「A Book About Woodturning」は、木工旋盤を使った加工についての百科事典のような大作で、専門的過ぎる部分を外して頁数を半分近くに減らしたものの、それでも分厚い全479頁には木工旋盤など道具のこと、木のこと、削る技術のこと、作例など盛りだくさんです。

 

今回、コナラの生木を使ったボウル作りを教えていただく前にこの本に目を通したところ、一つの作例に何百枚もの写真が添えられるなど、本を見るだけでも何か作り始められそうでした。という訳で、先ずは本で勉強、自分で試してみて、上手くいかないことや分からないことが出てきたら、本の購入者向けに用意された「Book Member Plus」という特別料金の講習会を受講するのがよろしいかと。念のため、本は日本語で書かれています。

 

A Book About Woodturning

 

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| すうさん | 08:09 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
鉄道は生き残れるか

 

先日読んだ「鉄道復権」の購入先Amazonからのお勧めメールに唆され「鉄道は生き残れるか」を取り寄せました。「鉄道復権」が楽観的に鉄道の将来を語るのに対して、この本は帯にもあるとおり、整備新幹線はもういらない、リニア新幹線は作るだけムダ、青函トンネルは閉鎖がベスト、鉄道貨物は日本には必要ない、とショッキングな内容。また、鉄道として今後とも存在可能なのは宇都宮、高崎までの新幹線を含む首都圏のJRと私鉄、東海道新幹線、岡山までの新幹線を含む関西圏のJRと私鉄、札幌、仙台、新潟、静岡、浜松、岡山、広島、北九州、福岡の都市圏だけで、輸送密度2000人未満は地元の合意無しでも、また2000〜4000人は合意があれば廃止しバスあるいはBRTに転換すべき(P.234)と大胆な提案です。

 

「鉄道復権」は2012年3月25日発行、この本が「鉄道復権の幻想」という副題を持ちながら2012年8月20日発行されたということは、この本は「鉄道復権」の楽観論を否定するために短時間にまとめられたものと考えられます。この本の方が数字で裏付けられた情報を図表で示すなど説得力十分なのですが、著者の高説どおりにことが運べば、乗り鉄にとって日本は寂しい国になること確実です。

 

鉄道は生き残れるか

 

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| すうさん | 08:34 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
鉄道復権

 

新春の山陽山陰縦断の旅のさ中に読んだ宇都宮浄人さんの「鉄道復権」を思い出し出しこの記事を書いています。読後感としては「宇都宮さんの書き方では日本全国で鉄道が一律に復権するような印象を受けるが、そんなことはあり得ず、復権するとしても置かれた環境によってシナリオが異なるのではないか」ということ。

 

即ち、それぞれの地域の年齢別人口密度、公共交通機関の状況、自家用車の普及率、道路の状況、維持管理費用などを総合的に勘案して公共交通機関のあるべき姿を描くことが肝要であり、単純に鉄道の復権を図ることは税金の無駄遣いになる可能性大と感じます。

 

ただし、この総合的判断にあたって、鉄道の現状は改善すべき点も多いことから、上下分離(線路などインフラの維持管理は自治体が、列車運行は鉄道会社がそれぞれ行うこと。道路は行政が税金で維持管理しているのに対して線路は鉄道会社が維持管理しなくてはならないのは不公平だという見方もある)、オープンアクセス(列車運行会社を入札などで選ぶこと)、税制の見直し(税収の一部が公共交通機関に分配されるフランスの交通税やドイツの鉱油税)などヨーロッパの事例も参考に、経済性と利便性の向上施策を先ずは実施した上で、他の移動手段との比較検討に進むべきと思います。

 

鉄道復権

 

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| すうさん | 08:13 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
横浜今昔散歩

 

Amazonで買ったら古本屋が間違えて「大阪今昔散歩」を送ってきたので結局「横浜今昔散歩」と計2冊を手にすることになりましたが、いずれも明治、大正、昭和初期に流行った手彩色の絵葉書と現在の街の様子を比べてみるという楽しい本です。文庫本サイズなので写真が小さいなと思ったら「ワイド版」なるA5サイズのものも売っていることが分かり、少々早まりました。

 

横浜今昔散歩

 

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| すうさん | 08:15 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
頭の体操第1集

 

今年3月に亡くなった多湖輝さんといえば1966年に出版された「頭の体操」の著者として有名で、当時高校生だった小生も何集かは読んだ筈です。Amazonで1円で手に入れたものの、何か違うと感じ調べてみると、1966年版は新書でこの1999年版は文庫本。迂闊でした。

 

さて、「はじめに」にある例題「葡萄酒瓶がある。コルク栓がしてあるのだが、あいにく、栓抜きがない。瓶を割らず、コルクにも穴を空けないで、中の葡萄酒を飲むには、どうしたらよいか」に対して「瓶を温めて膨張した空気で栓を抜く」と考えましたが、栓を瓶の中に押し込むというのが多湖さんの答え。温める方が栓を再利用できるという点で優れていると思うのですが。

 

頭の体操

 

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| すうさん | 08:01 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
東大教養囲碁講座

 

小生の被説得力の強さは半端ではありませんが、つい最近、母のいる老人ホームで、入所者である高段者の所に毎週囲碁を打ちに来られている会社時代の先輩にお目にかかり、暫く立ち話をする内に囲碁を始めてみようかという気持ちと相成り、先輩が勧めてくださった新書を手に入れました。読み始める前の本を当ブログに掲載するのは初めてのことで、それだけ囲碁という深淵な世界を前にしてかなりの興奮状態にあるということでしょう。

 

ネットで調べたところ(一般の碁盤である19路盤を小型化した)9路盤用の囲碁ソフトの存在を知り、早速日本棋院のサイトからダウンロードしてPCと対戦してみたところ、当たり前ながら完敗でした。そのソフトの強さが強烈だった分だけ勉強しようという気持ちに火がつきましたので、熱しやすく冷めやすい、そして案外忙しい老青年の生活に囲碁がどのように入り込んでくるのか、暫く観察してみます。

 

東大教養囲碁講座


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| すうさん | 08:17 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
下り坂をそろそろと下る

初めての平田オリザさん、「下り坂をそろそろと下りる」を読みました。「まことに小さな国が、衰退期を迎えようとしている」という司馬遼太郎の「坂の上の雲」の「出来の悪い贋作(著者)」で始まる本書は、人口減少と経済的停滞の時期を迎えた日本が如何にして急坂を下っていけば良いのか、その処方箋について考えようという内容で、平田さんの答えは次の3つの「寂しさ」を真正面から受け止めるということ。

1. 日本はもはや工業国ではないということ。
2. もはや、この国は、成長はせず、長い後退戦を戦っていかなくては
  ならないのだということ。
3. 日本という国は、もはやアジア唯一の先進国ではないということ。

具体的対策として小生が理解したことは次のとおりで、いずれも「教育」が大切であり、教育の中身を練って、時間をかけ対応していくこととなります。

1. 工業国ではないのだから、「基礎学力を身につける工業立国の教育」よりも
 「コミュニケーション能力や表現力を育む教育」が重要となる。
 小さな島国が国際社会の中で生き延びるには「コミュニケーション能力」、
 すなわち「異なる価値観や文化的な背景を持った人々にきちんと自己を
 主張し、また他社の多様性をも理解する能力(P.33)」が必要であり、
 そのために教育が資するところ大である。

2. 成長が期待できないということで、稼いだお金を地域の中で大事に使うことが
  重要で、エンゲル係数が低い日本においては農産物の地産地消よりもソフトの
  地産地消が必要となる(ソフトの地産地消とは、自分たちで創り、自分たちで
  楽しみ、自分たちで消費する、即ち地域住民のお金を東京資本に吸い上げられ
  ないようにすること)。
  東京一極集中ではなく地方の活性化が必要であるが、工業団地を作って企業
  誘致を図り雇用を創出したり、公営住宅を整備しても若者たちは戻ってこない。
  町を面白くして若者たちをひきつけるためには「文化資源」の充実が必要で、
  そのためには「文化の自己決定能力」が大切となる。この能力は「自分たちの
  誇りに思う文化や自然は何か、そこにどんな付加価値をつければ、よそからも
  人が来てくれるかを自分たちで判断できる能力(P.158)」であり、それは
  「小さな頃から本物の文化芸術に触れる」ことでしか育てることができない。

3. 先進国の国民として、殆どの日本人の中にある無意識の優越意識をどうやって
  解消していくのかということで、最も難しいのがこの寂しさなのではない
  だろうか。
  メディアが流す情報やネットに溢れる情報の中に、嫌韓や嫌中、無邪気な日本
  礼賛が多く含まれているのが気になりますが、これはどんな教育で改善する
  ことができるのだろうか。
  個人的には、このような意識の解消とは「もっと大人」になること、即ち
  客観的に自分を見つめ、大人として行動することだと感じますが、何故、
  日本人の振舞いが「子供っぽく」見えるのか、その訳を考えてみたいものです。

平田さんは「コミュニケーション教育(P.236)」が大切と指摘し、演劇を通した教育事例について触れているものの、具体的にどのようなものなのかは本書に書かれていないように思う。平田さんの別著「わかりえないことから」の副題に「コミュニケーション能力とは何か」とあるので、そこにヒントが隠されているかもしれません。

下り坂をそろそろと下る

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| すうさん | 08:48 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
経度への挑戦

緯度(緯は織物の横糸のこと)は北極星を見上げる角度と等しいことなどから知ることができますが、経度の方は簡単ではないようで、デーヴァ・ソベルさんの「経度への挑戦」は、経度を知る上で必要となる正確な時計(クロノメータ)を作り上げた英国人大工ジョン・ハリソンの物語。

経度は太陽南中時刻(日時計の影が一番短くなる時刻)を異なる2点で観測し、その時間差1時間が経度差15度として求められるので、船がいる場所での時刻に加えて基準となる場所(例えば経度が分かっている出港地)での時刻を知る必要がありますが、振子時計の場合、船上の揺れ、気温や気圧の変化、緯度と共に変化する重力などの影響で動きが不安定になり、基準となる場所で合わせた時刻は航海中に大きく変化してしまうという問題がありました。

1714年に定められた経度法に盛られた、正確に経度を求める方法に与えられる2万ポンドの賞金を目指し、ジョンが11歳年下の弟ジェームズ、長男のウィリアムと共にH-1(1735年完成、重さ34kg)からH-4(1759年完成、直径13cm弱の円形、重さ1.4kg)、更にはH-5(1770年完成)まで5台のクロノメータを創り出すことになるのですが、それを妨害する輩もいて、ようやく賞金を得た1773年にはジョン・ハリソンは80歳。将に「時計作りに命を捧げた殉教者」の物語です。

英国を訪れる機会があれば、ロンドン郊外グリニッジの国立海事博物館に展示されているH-1からH-4(海事博物館の学芸員たちは敬意をこめてこれらの時計を「ザ・ハリソンズ」と呼ぶそうな)、ロンドンのギルドホールにある時計博物館に展示されているH-5と、グリニッジ天文台の屋根に設置された報時球(タイム・ボール。報時球が落ちるのを合図に時計を合わせたそうで、今でも13時に落とされるそうな)は是非見てみたいですね。

経度への挑戦

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| すうさん | 08:40 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
生命と記憶のパラドックス

久しぶりの福岡伸一さんで、週刊文春に2010年から2011年にかけて掲載された随筆を66編集めた「生命と記憶のパラドックス」は、記憶、旅、進化、IT、読書、芸術、ナチュラリスト宣言の7章で構成されます。多様なテーマの中身と「生命と記憶のパラドックス」という書名とが合っていないことと、ご自身を「福岡ハカセ」と呼ぶ感覚には違和感を覚えましたが、総じてタメニナル内容でした。

印象に残ったのは2点。先ず「進化に目的はない」で、「キリンは高い場所の葉っぱを食べようといつも首を伸ばす努力を世代ごとにたゆまず続けた結果、あんなに首が長くなった」というラマルク説は間違っていて、「努力の結果獲得したものは遺伝することはない。つまり生物は目的をもって進化することはできず、たまたま突然変異で首が長くなったキリンを環境が選択したということ(首の短いキリンより長いキリンの方が子孫を沢山残せたということ)」というダーウィン説が正しいという点。

もう1点は、「懐かしさと切なさ」の中で、懐かしさとは「昔の出来事そのものが懐かしいのではなく、その頃の自分が懐かしい、つまり懐かしさとは自己愛の一種なのだ」。切なさとは「すべての移ろいが無限に繰り返されるものだとただただ漠然と信じ、無為に生きていた自分の無知さと無垢さが悲しい、つまり切なさというのは有限性の気づきである」との解釈。

ネットで三省堂大辞林を見てみると「切ない」の最初の意味として「胸がしめつけられるような気持、つらくやるせない」とあり、「やるせない」を見ると「思いを晴らすことができずせつない」とすっきりしない説明で、福岡ハカセのように言葉を解剖してみないと言葉の意味を探り当てることは難しい。若かりし頃に読んだ(筈の)ビアス「悪魔の辞典」と芥川龍之介「侏儒の言葉」をもう一度読んでみますか。

生命と記憶のパラドックス

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| すうさん | 08:31 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ゼロの焦点

砂の器点と線に続いての松本清張「ゼロの焦点」。主人公禎子の新婚の夫憲一、その兄、夫の元愛人、夫の同僚の計4人が殺され、内2名は崖から転落、残り2名は青酸カリで毒殺という展開は、今となっては大時代的と感じます。松本清張はこれにて卒業とします。

さて、この本では、廃線となった北陸鉄道の諸線、中でも1970年に仲間と乗った北陸鉄道能登線(羽咋から三明まで)の能登高浜駅が主人公の夫が元愛人と同棲していた旧家の最寄駅という設定で、この小説の取材のために何回も北陸鉄道を利用したであろう松本清張のように、青春18きっぷで旅しながら小説の構想を練ることができたら素晴らしいでしょうね。

ゼロの焦点

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| すうさん | 08:11 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
誹風柳多留 一

昔から川柳が好きなこともあり、Amazonで買い物の最中に表示されたこの本を衝動買いしましたが、開けてびっくり。最初から最後まで350句ほどの川柳が並んでいるだけで解説も何もありません。文庫本全4冊の最後に索引があるようですが、川柳の研究者以外に読む人がいるのでしょうか。

さてさて、柄井川柳他が編纂した「誹風柳多留 (やなぎだる)」の初期の8篇を収めたものが「誹風柳多留 一」で、初篇は「明和二酉年刊」とあり1765年のもの。このまま閉じてしまうのも癪なので、当時人気だった六阿弥陀参り(江戸近郊の六阿弥陀を丸一日かけて廻る手軽な巡礼)を詠んだ最初の句「五番目ハ同し作ても江戸産レ」について調べてみました。

行基作と伝えられる同木の6体の阿弥陀仏の多くが江戸近郊(といっても現在の北区、足立区、江東区)の寺にあるのに対して5番目だけは上野の常楽院(台東区、現在は調布市に移転)に安置されていることを「江戸産まれ」と表現したもの。この句の前句(お題のようなもので、前句を受けて川柳が詠まれる)は「賑やかなこと、賑やかなこと」で、当時の賑わいが偲ばれます。当たり前のことながら、250年前の文化、時代背景を知れば句の奥行きが理解できるということが発見でした。

誹風柳多留 一

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| すうさん | 08:16 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
点と線

砂の器に続いて松本清張の「点と線」を読みました。裏表紙の曽野綾子評に「私はこの小説で風邪をひいてしまった。早く眠ろう眠ろうと思いながら、気になってどうしても途中でやめられない。一息に読んで、翌朝目がさめたら、のどが痛くなった。全く罪な小説である。」とあり、同感です。

この作品で重要な鍵を握っている鉄道ダイヤは昭和32年(1957年)のものだそうで、犯人の安田が乗ったとされる函館発急行「まりも」について、手許の昭和30年(1955年)の時刻表で調べたところ、函館15時発、小樽20時21分発、札幌21時10分発、滝川22時58分発、富良野0時22分発、帯広4時発、釧路7時31分発、釧路以遠は普通列車となり根室に11時3分着。編成は荷物車(ニ)、郵便車・荷物車合造車(ユニ)、C2等寝台車(ネC)、特別2等車(特ロ)、2等車(ロ)、3等座席・食堂合造車(ハシ)、3等車(ハ)5輌の合計11両。

函館から根室まで20時間かけて急行が走っていたんですね。また、警察署間の緊急のやり取りや列車の中からの緊急連絡に電報を使うシーンが数多く出てきて、時代の変化を感じました。

点と線

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| すうさん | 08:26 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
異類婚姻譚

小説は殆ど読まないのですが、書名にひかれ第154回芥川賞受賞作品、本谷有希子さんの「異類婚姻譚」を手に入れました。因みに異類婚姻譚とは普通名詞であり、Wikiによれば「人間と違った種類の存在と人間とが結婚する説話の総称」で、「鶴の恩返し」などがこれに相当するとのこと。

主人公の「サンちゃん」が「ある日、自分の顔が旦那の顔とそっくりになっていることに気が付いた」ことで始まる不思議な物語で、「異類」と結婚するということはこんな風に日々が展開するのかもしれないなと思わせる展開の末に、植物だったのであろう「サンちゃん」の旦那は最後は山に帰るという筋書きです。主婦を中心とした日常が口語調の文章で活写され、小生にとっての芥川賞のイメージを(良い意味で)壊してくれました。

さて、飼い主の顔が犬に似ているということは、以前飼っていたケビン君の散歩で何回も観察済みなので、飼い主と犬との関係以上に近い存在である夫婦の顔が似てくるということは大いにあり得るでしょうし、わが家の場合もそうなりつつあるのかもしれません。

異類婚姻譚

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| すうさん | 08:48 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
砂の器

木次線亀嵩駅に触れた投稿へのコメントにあった松本清張「砂の器」は読売新聞夕刊に1960年(昭和35年)5月から10か月間連載された後、翌1961年に新書版初版が発行され、Amazonで手に入れた2004年発行本では何と152刷となっています。コメントへの返答に「昔読んだ」と書いたのは記憶違いで今回が初読。2段組み全478頁を老眼が読み終えるには時間がかかりました。

さて、前衛芸術家集団を含めた登場人物の多さ、主人公である今西刑事の事件解決に向けた着想がやや強引なところ、超音波を使った殺人について細かな記述がないこと、(現在では治療法が確立している)ハンセン病の父を持つことを隠したい一心が殺人動機であることなど、ストーリー展開で気になる点は多々あるものの、これだけの人間を考えさせ、語らせ、動き回らせるのは、構想するだけでも楽しい作業だろうなと感じました。

さてさて、作中の鉄道関連情報他を確認したくなり、手元にあった日本交通公社1956年12月号時刻表をひっくり返すなどして以下確認しました。これまた「人生は冥途までの暇つぶし」の好例です。

1. (京浜東北線の)七両目だけを残し、異常のない六両は(P.13):現在の10輌編成が1960年当時は7輌編成。運行開始の1914年(大正3年)の写真では2輌編成に見え、以後どのように編成車輛数が増えてきたのかについての情報を見つけたいものです。
2. 秋田行き急行「羽黒」(P.35):今西刑事と吉村刑事が上野から羽後本庄まで乗った夜行列車で上野21時00分発、上越線、羽越本線経由、羽後本荘翌7時46分着。各駅停車に乗り換えて羽後亀田9時53分着。
3. 19時44分発の急行(P.54):二人が羽後亀田から上野に戻る際に乗った夜行列車で、参照した時刻表では羽後本荘19時57分発、上野翌7時着。時刻表発行の1956年と本書執筆の1960年の間に出発到着時刻が変わったものと思います。
4. 黒部峡谷ダム(P.132):「大町にいま開発中」とあり、完成は1963年。
5. 東京発下り急行「出雲」(P.159):今西刑事が亀嵩を訪れるのに使った東京22時30分発の夜行列車で、亀嵩着は翌日の20時ごろと記載あるものの、警察署訪問の関係で松江17時10分下車、その日は松江泊となっている。時刻表では東京22時15分発、松江17時32分着とあり、先日訪ねた終点大社に18時25分着。
6. 名古屋22時20分発の上り準急(P.343):今西刑事が伊勢への出張から帰る時に乗った夜行準急列車。時刻表に準急は無く名古屋22時45分発の急行伊勢がこれに近い列車。当時の東京着の東海道本線夜行急行としてこの伊勢が東京着6時、急行さつまが6時25分、急行大和が6時47分、急行出雲が6時54分、急行瀬戸が7時10分、急行彗星が7時27分、急行筑紫が7時46分、急行明星が8時3分、急行安芸が8時23分、急行銀河が9時3分、急行月光が9時23分と、何と11本の夜行急行列車が東京駅に次から次へと滑り込む様子は華やかだったでしょうね。
7. (北陸本線の)大聖寺から山中温泉までの電車(P.362):1971年に廃止された北陸鉄道山中線、全長8.9km。2009年に尋ねた山中温泉で、「昔はここまで電車が来ていた」と説明されたことを思い出しました。
8. 大阪行きの急行(P.431):今西刑事が戸籍調査のために大阪へ行く時に乗った東京21時45分発の夜行列車で、「朝8時半に大阪駅に着いた」とあります。時刻表によれば急行さつま鹿児島行で大阪着は翌8時26分。
9. 八時半の上り急行(P.441):今西刑事が京都から戻る時に利用した夜行列車。時刻表で見つけたのは京都20時44分発の急行さつま。翌6時25分東京着。当時は夜行列車が長距離移動の主要手段だったんですね。
 
砂の器

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| すうさん | 08:36 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |

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