腰痛による食っちゃ寝状態の中で読んだ本の2番目は所澤秀樹さんによる「鉄道時刻表の暗号を解く」で、書名からして怪しげですが、時刻表の情報から何かを探り出そうと、オタク度十分。非鉄から見れば手桶の水をかき回しているような行為も、鉄オタにとっては広い宇宙を探索しているといった気持ちでしょうし、何事も「極める」ということは門外漢からすれば理解しがたい側面を持っているのでしょう。具体的には以下のように。
1. 第一章「時刻表のむず痒いところ」:非鉄は気付かないであろう時刻表の
アレコレを掘り下げる章で、中でも興味深かったのは、帯広と十勝三股を結び
1987年(昭和62年)に廃止された国鉄士幌線について。
乗客の減少から、1978年(昭和53年)に列車の運行を休止し代行バスへと
切り替えたものの、そのバスも2003年(平成15年)に終了、それに合わせ
旭川と帯広を結ぶ都市間長距離バスに十勝三股バス停を新設したそうで、
付近に2家族しか住んでいない場所のバス停は士幌線の亡霊ではなかろうか
という話。
2. 第二章「昔の時刻表は面白い」:昔の時刻表にはあった医療設備、洗面所、
赤帽、電報などのマークと、絶滅状態の食堂車のメニュ―あれこれなど。
3. 第三章「バックナンバーで探る寝台特急の栄枯盛衰」:1956年(昭和31年)に
デビューした寝台特急「あさかぜ」以降、1974年(昭和49年)にはビジネス
客を中心に東京・中国・九州間に9本、関西・九州間に何と18本もあった寝台
特急が、2016年(平成28年)以降は東京 - 高松間の「サンライズ瀬戸」と
東京 - 出雲市間の「サンライズ出雲」だけという寝台特急の栄枯盛衰ぶりを
「運転系統・本数図」を作って詳述するという、小生の物差しで測れば何とも
素晴らしい試みであり、この本のハイライト部分とお見受けしました。
4. その他:第四章「近頃はつまらなくなったとぼやく御仁へ」は分割民営化以降、
運賃計算が複雑になったという話を中心に、時刻表を使って手作業による運賃
計算を楽しむ方法について。
第四章後半から第五章「『マイライン東京時刻表』の遊び方」では、列車と列車
番号についての細々とした発見が中心と、小生としては全く食指が動かない話題
ばかりにつきコメント不能。
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