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「ドイツ帝国」が世界を破滅させる

エマニュエル・トッドさんによる「『ドイツ帝国』が世界を破滅させる」、帯には「現代最高の知識人」。中身は全8編のインタビュー記事で、鋭い質問を発してトッドさんの透徹した高説を引き出したインタビューアの力量も光っています。ただ後半の数編については、欧州の歴史、文化や政治に関する知識が前提となるので十分には理解できませんでした。

主編となる第1編「ドイツがヨーロッパを牛耳る」では、「ドイツというシステムは驚異的なエネルギーを生み出し得るのだということを認める必要がある」(P.30)と特に21世紀に入ってからのドイツの台頭を欧州の危機とし、「今日、二つの大きな先進的産業世界の存在を確認することになる。すなわち、一方にアメリカ、他方に新たな「ドイツ帝国」である。ロシアは第二次的な問題でしかない」(p.63)として冷戦後の構造についての従来の見方を改める必要性を示唆しています。

また、トッドさんはこの本の中で「真の権力中枢はメルケルでなくドイツ経済界」(P.140の見出し)と企業が国政を左右していることに触れています。TPP会合の現場に業界団体が押し掛けたとか、習近平が最近の米国訪問の土産として旅客機300機4兆5千億円分を注文したとか、VWの排ガス不正をEU規制当局が何年にもわたって握りつぶしていたとか、企業が世の中を動かしている、というか政治が企業献金目当てに重要政策を捻じ曲げるという現状はおかしいと思いますね。でも、経済的動物(エコノミック・アニマル)である人間が存在する限り、経済(人間の生活に必要な財貨・サービスを生産・分配・消費する活動。また、それらを通じて形成される社会関係。デジタル大辞泉より)的理由で諍いが起きることは不可避なんでしょう。

「ドイツ帝国」が世界を破滅させる

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| すうさん | 08:56 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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